最高値、円安の寄与8割 原油高要因上回る
2023.09.01
15年ぶりとなるガソリン価格の最高値更新が迫ってきた。
2022年初からの価格上昇分に占める寄与率をみると為替の円安が8割を占め、原油高要因を上回る。
日銀が金融緩和を続ける限り、円安基調は続くとの見方は多い。
政府・与党は補助金制度を年末まで延長し、価格高騰を抑える方針だ。
資源エネルギー庁によるとレギュラーガソリンの店頭価格(全国平均、21日時点)は1リットル183.7円と、08年8月の最高値185.1円の突破が目前だ。
23年6月以降、燃料補助金の支給額が段階的に引き下げられている影響が大きい。
30日公表される価格は08年を上回り、統計開始以来の高値を更新する可能性がある。
米欧先進国はガソリンの高騰局面から脱している。
米エネルギー情報局(EIA)によると、28日時点での米レギュラーガソリン小売価格は1ガロン3.8ドル台前半となり、22年6月に付けた高値に比べて24%安い。
ドイツやイタリアなど欧州の小売価格も昨年のピークを下回る。
22年、世界は急激なガソリン高に直面した。
ロシアのウクライナ侵攻を受けて原料の原油価格が上昇し、ガソリンの精製コストが高くなったためだ。
当時、国際指標であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物は一時、1バレル130㌦を超えた。足元は同80㌦台で推移しており、米欧のガソリン価格の低下につながっている。
日本のガソリン高が突出している背景には為替の円安がある。
原油を輸入に頼る日本では円安の進行がガソリン価格の押し上げにつながる。