中古車改造のEVトラック導入 25年度までに数百台
2024.04.04
物流大手のSBSホールディングスは、中古ディーゼル車を改造した小型の電気自動車(EV)トラックを導入する。EVトラックの新車供給が限られているためで、2025年度までに数百台を取り入れる。車両の導入コストを抑えつつ、輸送網全体の二酸化炭素(CO2)排出量「スコープ3」の削減をめざす荷主企業の需要に応える。
中国のEV開発大手、阿爾特汽車技術(IAT)の日本法人や物流機器を手がけるヤマト・インダストリー(埼玉県川越市)と組み、既存のディーゼルエンジンをEV専用のバッテリーとモーターに置き換える。使用開始から10年以上が経過した小型トラックが対象で、いすゞ自動車の「エルフ」などを改造して用いる。荷物を載せた状態での走行試験などを済ませたうえで、年内にも実用化を始める。
SBSは計4500台のトラックと商用バンを保有しているが、そのうちEVは商用バンの30台程度にとどまる。荷主企業から脱炭素の要請が高まるなか、一般のEVより納期が早い中古改造車を取り入れることで、環境配慮車の導入を早める。
物流同業では、アマゾンジャパン(東京・目黒)の配送業務を手がける丸和運輸機関が中古ガソリン車を改造した軽商用バンのEVを導入する。走行距離の短い宅配向けに使い、30年までに全車両の約3割に当たる1000台程度を置き換える。