2024.09.05
SUBARU(スバル)は2024年秋から、配送トラックの荷降ろし作業を自社スタッフが行う体制に切り替える。従来はドライバーが行っていた仕事を分担する。残業時間の規制強化でドライバーが不足する「24年問題」に対応する。工場内の運搬や仕分けなど配送の「ラストワンマイル」を見直す動きが幅広い業界で広がってきた。
ドライバーの拘束時間短く
スバルは24年秋に稼働を始める北本工場(埼玉県北本市)において、部品を製造するサプライヤーからトラックで運び込まれた部品の荷降ろし作業を自社従業員が担う体制にする。現状のスバルの工場では、トラックのドライバーが荷降ろしをするケースが多い。
サプライヤーは運送会社と荷降ろし作業を含む契約を結んでおり、ドライバーの作業自体に問題はないものの「荷降ろしなどに40分から1時間ほどかかっている」(モノづくり本部生産管理部の落合宏主査)。作業を引き受けて、ドライバーの拘束時間を短くする。
具体的には、自動車部品を載せたトラックが工場に到着すると、複数人のスバルのスタッフが手分けして部品を降ろし、所定の場所に保管する。トラックは荷降ろしが終わると、速やかに工場を出ていけばいい。
部品を工場内の必要な場所に運んだり、通い箱など返却するものを工場内で集めてトラックに積み込んだりといった作業も、スバルの従業員が担当する。
各トラックの荷降ろし場に停止する時間が短くなることで、次のトラックが荷降ろしの順番を待つ「荷待ち」と呼ばれる時間も短縮できると見込んでいる。
国土交通省の調査によると、トラックドライバーの1日の労働時間は12時間30分ほど。運転時間は約6時間にとどまり、荷降ろしと荷待ちの時間にそれぞれ1時間30分ほどかかっている。