日本郵政が10日発表した2023年4〜6月期の連結最終損益は85億円の赤字（前年同期の純利益は1185億円）だった。
21年から資本提携する楽天グループの業績悪化により、保有する同社株の評価損約850億円を特別損失として計上した。
24年3月期の業績予想は修正しない。
経常利益は前年同期比6%増の1730億円、売上高にあたる経常収益は5%増の2兆8479億円だった。
かんぽ生命保険で保有資産の価格変動に伴うキャピタル損益が大幅に改善した。
日本郵便は郵便・宅配事業の取扱数減などにより減収減益だった。
日本郵政は楽天Gと21年に提携し約1500億円を出資した。
共同出資の物流会社を設立して「楽天市場」の商品を扱うなどしたほか、楽天Gが持つ技術やデータ基盤を生かして日本郵政のデジタル強化につなげる狙いだった。
楽天Gが成長の柱とするモバイル事業は赤字が続き、先行きに不透明感がある。
日本郵政はヤマトホールディングスなど協業先を広げてテコ入れを急ぐが、本業の収益低下が続けば投資家の視線はより厳しくなる。