ヤマトなど複数事業者の荷物集約し配送、ゼンリン
2024.06.17
ゼンリンは3日、複数の物流事業者の荷物を地域の配送事業者がまとめて配送する「共同配送システム」を構築し、埼玉県秩父市で実運用を開始すると発表した。
このシステムは、ヤマト運輸、西濃運輸、福山通運の3社の荷物を集約し、地域の事業者が個人宅などの配送先まで配送するもので、「おむす便」として同日からサービス展開する。
ゼンリンは、2019年から埼玉県秩父市で実施している山間地域における生活インフラ維持のための実証実験の一環として、共同配送システムを開発。
22年9月にプレサービスを実施したところ、「荷物の配送管理システムが各物流事業者で異なるため、日々の配達状況の管理や配達結果をアナログで管理しなければならず、荷物を管理する各物流事業者や、配送を担当する地元事業者の業務負担が増加する」という課題が判明した。
この課題を解決するため、ゼンリンはヤマト運輸の協力を得て、パナソニックコネクトの「配送見える化ソリューション」をカスタマイズし、各社の荷物の配送状況を一括管理できる共同配送システムを開発した。
システムは、専用の端末を操作して荷物に貼付された配達伝票のバーコードをスキャンし、各種情報を登録する。
情報はクラウドを通して共有され、物流事業者各社はブラウザ上で荷物の状況を確認できる。
導入する際の既存の基幹システムの改修は不要で、共同配送を実現する新たな配達管理システムとして利用できる。
ゼンリンは今後、スマート物流に向けた取り組みとして、全国の物流課題を抱える自治体や地域の配送事業者の課題解決に向け、ヤマト運輸と連携し、共同配送サービスと共同配送システムの水平展開を目指すとしている。