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「即時宅配スーパー」ヨーカ堂との協業強化

2024.07.19

「鬼速で届く宅配スーパー」とうたう配送サービス「OniGO」は、スマートフォンアプリまたはウェブサイトから最大約8000種類の食料品や日用品を購入し、最短20分で注文商品を自宅で受け取ることができる、「クイックコマース」に分類されるサービスだ。
同サービスを運営するスタートアップ企業ONIGO(オニゴー、東京・世田谷)取締役共同創業者の山本敬明氏は「一般的なネットスーパーは配送が翌日以降になるのに対し、OniGOは必ず当日に商品が届く」と同サービスの強みを話す。
その仕組みは、注文を受けると、提携先のスーパーに常駐している「ピッカー」と呼ばれる担当者が、スタッフ用のスマホアプリに表示された商品を、指示通り店頭の棚から集めて(ピッキングと呼ぶ)、自宅まで配送するというもの。店内で一般客に交じって商品を手に取っているので、「スーパーに行けばOniGOのオレンジ色のジャケットを着たスタッフに会うかもしれない」と山本氏。
「ダーク」が「グレー」になる意図
OniGOの始まりは「ダークストア」モデルのクイックコマースサービスだった。
ダークストアとは、一般客が訪れることがないスーパー型の配達拠点を持ち、そこでスタッフが商品をピッキングして、配達するという電子商取引(EC)のビジネスモデル。店舗を一般客向けに公開しない分、維持費が抑えられることがメリットだ。
しかし、そんなOniGOが近年様々なスーパーとの提携を進めている。例えば、2023年8月にはいなげやと、23年11月には名古屋市を中心に展開するアオキスーパー(名古屋市)と提携。そして2024年1月、イトーヨーカ堂のイトーヨーカドーおよびヨーク店舗との協業を本格的に開始した。
山本氏によると、「クイックコマースには、一つの拠点からサービスを提供できる範囲が数キロメートル程度以内という制約がある。そのため、配達拠点を増やさない限り、カバーエリアを広げられない」。
それを補う手段として、これまで提携していた他のスーパーに加え、イトーヨーカドーおよびヨーク店舗とも協業することで、東京23区内のエリアをすべてカバーできるようになった。
24年5月時点でONIGO直営のダークストアは全国で2店舗のみ。「直営店舗を出して、在庫を持って、人をそろえるのは非常にお金がかかる。今後は、スーパーを中心に提携先を増やして、まずは都心部に、いずれは全国に展開していきたい」と山本氏は意気込む。
「お客様が来店できないダークストアに対して、提携店にはお客様が来店することもできる。完全なダークストアではないので、ダークの色が薄まった『グレーストア』という呼び方をしている」(山本氏)とのことだ。
ただ、「OniGO内部の業務モデルがどのような形であっても、お客様にとっては、自分が注文した商品が速く届くことに変わりない」と山本氏は強調する。
「意識していないお客様のほうが多いと思うが、アプリで住所を入力すると、OniGOと提携している最寄りの配達拠点が自動でひもづけられる」(山本氏)
実際、最寄りのOniGO提携先のスーパーがイトーヨーカドーである筆者が、住所を登録した上でOniGOアプリを開くと、イトーヨーカドーから商品を買うことができるという旨のバナーが表示された。
他のスーパーが最寄りの提携先だった場合、このバナーは表示されない。登録住所を変更しない限り、最寄りのOniGO提携先店舗によってアプリの表示が異なることをユーザーは知る由もない。
このようにONIGOにとっては、直営店でカバー仕切れない範囲を業務提携や協業で補うのが狙い。その一方でイトーヨーカ堂にとってのメリットは何か。
ONIGOとイトーヨーカ堂協業の裏側
今回のイトーヨーカ堂との協業では、アプリの開発、業務システム、マーケティング、カスタマーサポートはONIGOが、商品の調達はイトーヨーカ堂が担当。在庫や価格の情報は、両社で綿密に連携し、やり取りしているという。
山本氏は「イトーヨーカ堂はデリバリーを非常に重要だと捉えている」とした上で、「ONIGOはクイックコマースに最適化されたプロダクト開発の面で期待してもらっている」と語る。
イトーヨーカ堂は独自のネットスーパーを展開しているが、配送が翌日以降になることもあり、顧客は少し先の需要を見越して商品を購入することになる。こうした買い方を、イトーヨーカ堂は「計画購入」と呼んでいる。
これに対して、イトーヨーカ堂はOniGOで商品を購入することを「オンデマンド購入」と呼んでいる。どうしても商品が当日欲しい顧客層に、イトーヨーカ堂がネットスーパーとは別の需要の高さを見いだしているということだろう。
加えて、イトーヨーカ堂のネットスーパーは現在、店舗とは別の場所に流通センターを置く「センター型」に移行している段階。箱単位で売られている飲料など、まとまった商品を購入するのには向いている一方、イトーヨーカドー店舗で作られている総菜などは配達しづらい。
このように、イトーヨーカ堂にとって、ネットスーパーだけでは補えない顧客のニーズをかなえるのがOniGOだというわけだ。
     
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