下請け3000社一元管理 赤字脱却へ合理化
2024.10.11
日本郵便は荷物の輸配送を委託する下請けの約3000社の情報を一元的に把握する仕組みをつくる。トラック運転手の時間外労働が制限される「2024年問題」の影響が広がるなか、欠員を地域間で補充しやすくする。下請け各社に発注する仕事量や契約料金も適正化し、郵便・物流事業の赤字脱却に向け合理化を進める。
まず「ゆうパック」を扱う委託会社を中心に情報の統合を始める。郵便局ごとに契約している委託先の集荷・配達データを集め、本社や支社でも個社単位で共有する。委託先の倒産などで運転手が足りなくなった地域の郵便局に対し、他の地域で人手に余裕がある委託会社に仕事を分散できる体制をつくる。
誤配率のデータも収集し、人手不足による過剰労働などを理由に、誤配が増えている委託会社を把握しやすくする。誤配が多い場合、1社当たりの負担を減らすなどして、サービスの安定につなげる。
仕事量のほか業務品質に応じて委託契約の料金を柔軟に見直すことも目指す。適正な料金を反映させつつ配送網の合理化を進める。