人手不足倒産
2024.10.07
2024年問題で過去最高の163件、2年連続で更新
人手不足による経営へのダメージが深刻化している。帝国データバンク(TDB)が10月4日に発表した「人手不足倒産の動向調査(2024年度上半期)」によると、2024年上半期の「人手不足倒産」の件数は、過去最多となる2023年度をさらに上回るペースで急増していることが分かった。
賃上げ気運が高まるなか、労働市場の流動化が進んでいることが、人材不足倒産が増加する一因としてあげられる。TDBが毎月実施しているアンケート調査では、企業の人手不足感は高止まりしていることを踏まえると、今後も労働条件が厳しい小規模事業者を中心に人手不足倒産は高水準で推移するとみられる。
従業員の退職や採用難、人件費高騰などを原因とする「人手不足倒産」は、2024年上半期(4~9月)に163件発生。同期間として2年連続で過去最多を記録した。
2023年度は313件となり前年度比2.1倍と大幅に増加したなかで、さらにそれを上回る可能性が出てきた。コロナ禍以降さらに深刻な社会問題として表面化した人手不足は、企業経営に深刻な打撃を与えている。