新興勢がけん引、地方の人手不足に商機
2024.09.13
企業のオフィスに冷蔵庫を設置し食品を提供する「置き社食」の市場が広がっている。スタートアップのKOMPEITO(コンペイトウ、東京・品川)では直近の累計導入台数が約1万3000台と3年前の6.5倍になった。背景には既存の社員食堂からの置き換えに加えて、人手不足の深刻化で地方企業が従業員の福利厚生の充実に動いていることがある。
「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)のニーズが地方で高まっている。地元の有力企業や銀行との営業連携策も成果を上げている」。KOMPEITOの渡辺瞬代表はそう話す。東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫、福岡以外の地方での導入比率は2024年8月時点で52%と4年前(19%)から大幅に上昇した。
オフィスに設置した専用の冷蔵庫からサラダや総菜などが好きな時に食べられる。企業は月額数万円からの利用料金を払い、従業員は1品100円で購入できる。既存の社員食堂よりも設置・運用コストが安く、手軽に従業員に健康に配慮した食事を提供できる。
ホテル大手のアパグループ(東京・港)は国内222拠点で「オフィスで野菜」を導入。コロナ禍から客足が回復し、ホテル業界は人手不足が深刻だ。社員満足度を上げて人材の定着を狙う。