政府は物流業界の人手不足が懸念される「2024年問題」の緊急対策で、玄関前などの「置き配」への誘導策を盛り込む方針だ。
運送業者の負担を軽くするため、利用者がインターネット通販などで事前に置き配を選ぶと別途ポイントを得られる仕組みを想定する。
岸田文雄首相は28日、来週中に関係閣僚会議を開いて「物流革新緊急パッケージ」をつくると表明した。
荷役作業の自動化や再配達率の半減などの方策を盛り込む。10月中にまとめる経済対策に反映する。
ネット通販の普及や共働き世帯の増加で再配達の需要は高まっている。
人手不足の運送業者には負担が重い。
政府は利用者がマンションの宅配ボックスやコンビニエンスストアでの受け取りを選ぶよう、ネットでの購入時に置き配を選べばポイントを付ける仕組みをつくる。
ネット通販などで専用システムの構築が必要になるため、緊急対策でシステム改修に必要な財政支援を検討する。
トラックドライバーの待遇改善や不適正な取引の是正にも取り組む。
物流業界では荷主と運送業者の契約を書面で交わさないケースが多く、契約内容を明示することで運送業者が適切な運賃を受け取れるようにする。
早ければ24年の通常国会に関連法案を提出する。