駅配サービス
物流24年問題で注目 500円前後で割安感
鉄道各社が相次いで、駅に設置したロッカーで商品を受け取る「駅配サービス」に参入している。
小売業や飲食業などと連携し好きな時に、事前に注文した食料品や家電などを受け取れる。
物流業界では運転手の人手不足が深刻化する「2024年問題」が控え輸送費が値上がりしている。
交通費や輸送料に比べ割安感があることも駅配サービスの追い風となっている。
利用料500円前後、交通費より安いことも
西武ホールディングスは21年度から毎年、駅配サービス「BOPISTA(ボピスタ)」の実証実験を実施している。
スマートロッカーを開発するSPACER(スペースアール、東京・中央)と連携し、23年度は12月中旬まで駅や商業施設など20カ所にロッカーを設置する。
スマートロッカーは遠隔操作による開閉や温度管理、キャッシュレス決済などに対応している。
ボピスタでは、利用者はネット経由で会員制店舗「コストコ」やたい焼き屋「くりこ庵」などの商品を注文し、ロッカーで受け取る。
購入する店舗に応じて利用料金は変動する仕組みで、現状では1回あたり300〜400円程度だ。
35歳以上の利用者が多く、女性客が7割を占める。「通常の電子商取引(EC)販売では取り扱いが難しい総菜や乳製品が人気だ」(西武HD)という。24年には本格稼働する計画だ。
店舗に行く手間が省けるほか、利用しやすい料金設定が消費者を捉えている。
利用料は駅と店舗の距離でも変動する。
例えば、コストコの商品を池袋駅のロッカーで受け取る場合、利用料は300円だ。
店舗の最寄り駅の入間市駅に行く場合、池袋駅から往復運賃は900円。
交通費との比較でメリットを感じやすい。
コストコの非会員でも購入できる点も受け、月間リピート率は5割に上るという。