楽天など競合に出品し情報収集 WSJ報道
2024.04.17
米アマゾン・ドット・コムが自社とのつながりを伏せた会社を通じて楽天グループや米ウォルマートの電子商取引(EC)サイトに出品し、競合の情報を集めていたことがわかった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が17日報じた。
WSJによると、アマゾンは「ビッグリバー・サービシーズ・インターナショナル」という名称の企業を米国に設立し、他社の情報収集にあたらせていた。米イーベイやカナダのショッピファイで日用品や衣料品を販売し、配送の速さや商品の値付け、広告の仕組みなどを調べていた。
集めた情報はアマゾン幹部に共有していたという。同様の手法を米国のほか日本やインド、英国、ドイツで展開していた。WSJは楽天やLINEヤフー傘下のZOZOのサービスも対象だったと伝えた。
デジタル分野の規制やルールに詳しい杉本武重弁護士は「報道が事実であれば、アマゾンの行為は楽天市場の出店規約などに抵触する可能性がある」といい、損害賠償請求の対象になりうるとの見方を示す。