官民挙げて物流 24年問題の克服を
2024.03.11
4月1日からトラック運転手に時間外労働の上限規制が適用される、いわゆる「物流の2024年問題」の到来が目前に迫った。人手不足が厳しいなかで労働規制の強化が重なるが、物流の縮小や途絶で日本経済や国民生活が混乱する事態があってはならない。
物流に携わる官民は生産性向上や意識改革に取り組み、持続性の高い仕組みを整えてほしい。
物流の効率化には複数の手立てがあり、それを同時並行で進める必要がある。柱の一つはトラックから貨物鉄道やフェリーに切り替えるいわゆるモーダルシフトだ。大量の物資を少人数で運べるので、生産性が大幅に向上するほかカーボンゼロにも寄与する。
例えばネスレ日本は今年2月に静岡県島田市の工場から関西方面へのボトルコーヒーの出荷をトラックからJR貨物に切り替えた。鉄道貨物はこれまで500キロメートルを超える長距離輸送が中心だったが、今後は静岡―大阪のような300キロ程度の中距離区間でもモーダルシフトが進みそうだ。