スーパー大手のアークスは3日、2023年冬にもネット通販のアマゾン・ドット・コム内にネットスーパーを開くと発表した。
最短2時間で配送し、北海道内でネットスーパーを手掛ける同業他社に対抗する。
アマゾンの配送網を活用し、ネットスーパー事業を拡大する。
アークスとアマゾンジャパン（東京・目黒）が札幌市内で記者会見を開いた。
アマゾンのプライム会員向けに、生鮮食品や日用品など約9000種類を扱う。
アマゾンのサイト内で注文を受け、アークスの実店舗から商品を配送する。対象エリアは札幌市と北海道北広島市の一部から始め、順次拡大する方針だ。
サービス開始日や配送料などの詳細は今後、詰める。アークスの横山清社長は「新型コロナウイルス禍で消費者の価値観は変容している。
アマゾンとの仕事は、新しい価値の提供にうってつけだ」と述べた。
アマゾンはすでにライフコーポレーションやバローホールディングス（HD）、成城石井（横浜市）と組んで首都圏や関西、愛知県でネットスーパー事業を展開している。北海道でもネットスーパー事業を始めるにあたって、アークスと連携した。
アークスは21年から自社のネットスーパー「アークスオンラインショップ」を北海道で始めた。
24年2月期の売上高は12億円を想定し、前期実績の3倍以上に増やす。
23年6月には盛岡市でもサービスを展開し、10月10日からは北海道室蘭市周辺を新たに配達対象エリアに加えるなど、事業拡大に力を入れている。
北海道内では他社と激しい競合が続く。
ネットスーパー事業に08年参入したイオン北海道は、離島を除く北海道全域が配送可能エリアだ。
発送拠点となる店舗を増やし配達時間の短縮に努めている。
コープさっぽろ（札幌市）は1997年から宅配事業で戸別配送を始め、2023年3月期の事業売上高は1000億円を超えた。
西友も楽天グループと組み札幌圏で展開する。
アークスは配送時間の短さを前面に打ち出し、後発ながら需要開拓に取り組む。
既存のアークスオンラインショップの場合、店舗から自宅に届くまでの時間は最短で5時間かかる。
アマゾン経由だと最短2時間となり、イオン北海道が一部地域で配送している最短3時間より短くなる。